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大手チェーンがイートインとテイクアウトを税込で同一価格にするという報道が引き起こすヤバい勘違い

軽減税率制度の開始を目前にして、大手チェーンの対応でテイクアウトとイートインの税込価格を同一価格にするという報道をちらほらと目にするようになりました。

大手チェーン側の考えとしては、お客の混乱を引き起こさないようにするためとか、オペレーション上の混乱を引き起こさないためとかなのでしょう。理由としては理解はできますが、基本的には本来の軽減税率の制度の主旨にはそぐわない値付けになるので、政府や関係省庁としては歓迎できないのではないでしょうか。

こんなことするぐらいなら、軽減税率の制度の意味ないじゃんて話になりますよね。

そしてもう一つ、大手チェーンがこういうことをやると、悪い影響が出やすいので心配な点もあります。

それは、軽減税率制度のことをよく理解していない個人や中小企業のお店の経営者が、大手チェーンが税込同一価格で提供するのならば、テイクアウトもイートインも今までと同じように販売しても大丈夫じゃんと勘違いして、レジを入れ替えたりせずに2019年10月1日以降も運営してしまうことです。

これをやってしまうと、あとで大変困るので、ご注意ください。

同一商品を税込で同一価格で販売することは、制度の主旨上のよしあしの考えはともかくとして、それ自体は何か問題が発生することはありません。
問題は、軽減税率対象の売上金額、標準税率の売上金額、およびそれぞれの消費税金額を、区分分けして集計できていないことにあります。レジを軽減税率対応機種に入れ替えない限りは、税率ごとに区分けされた売上と消費税の金額が算出できないのです。
税率ごとに区分けされた売上と消費税の金額がなぜ必要なのかというと、消費税の税申告時に必要になるからです。これがわからないと申告しようにも、申告のための計算のやりようがないのです。

さらに、レシートや領収証にも、軽減税率対象はいくらなのかを記載するのも義務となっています。お客がそのレシートを経費で落とす場合には、税率の区分明細として、金額を明らかにしないと経理上の処理ができなくなりますので、お客も困ります。
最初のうちは猶予期間として、手書きで内訳を記入して運用回避してもOKということになってますけど、経理部には嫌われますよね。そういうレシートは。
はやりのOCRのレシートスキャンも、手書きによる補足情報までは対応しているところはまだないですよね。

軽減税率にレジが対応していないという実態は税務署には、けっこうばれやすいとは思います。なぜならお客が会社経費として落とすために保存しているレシートをみれば、すぐわかってしまうので、そのお客の会社の税務調査の際に芋づる式に気づかれちゃいます。

税務調査のターゲットになりやすくなるだけなのでくれぐれも気を付けましょうね!テイクアウトがあるなら、レジは入れ替えないと厄介なことになりますよ。

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